"エイジロウ 「エイジロウです。(産み分けを許せば)親の選択の自由は実現できているかもしれないが、胎児には自由がありません。男で生まれたいとか女で生まれたいとか、親が決めてしまったら、生まれてくる子供に選択の自由がなくなります」 サンデル 「エイジロウ、あなたは生まれてくるときに『男に生まれたい!』と願って生まれてきたの?(笑)ほかの意見も聞いてみましょう。誰かいますか?」 カメ 「カメタニといいます。医師です。男女の産み分けは、人間の世界でしてはいけない『殺す』につながります。男を望む、女を望む、ということになれば、そうではない場合は(胎児を)殺すことになります」 サンデル 「産み分けを超音波でする方法があります。多くの国では超音波を使って胎児の性別を見分け、望んでいない性別のばあいは中絶させてしまうということをしている。カメ、これが殺すという例ですか?」 カメ 「ええ」 サンデル 「ではもう1つ、中絶をしなくていい男女産み分けの方法があります。胚のスクリーニングをするのです。受精後、まだ胚の状態のときに(胎児にはなっていない)、男の子になる胚か女の子になる胚かを選びます。残りの胚は捨てるようにする、カメ、これも殺すということになりますか?」 カメ 「はい、そう思います」 サンデル 「では、違う産み分けの方法を紹介しましょう。男性の精子の段階で染色体をみて選別するのです。これだと胚を捨てたり殺したりしなくていい。これでも殺したことになりますか?」 カメ 「(ちょっと考えて)その意味では、殺したことにはなりませんね。ただ私の意見は……産み分けは、人間が性別を決めることは間違っているというという意見なのです。その信念から(染色体選別であっても)反対です」"